しばらくそのままでいたけれど、彼の涙が止まったのか



『ごめん』



そう言って、彼の胸に回されていたあたしの腕を、そっと引き剥がした。


少し寂しさを感じたんだけれど、最初から拒否られなかっただけ良かったと思うようにした。


それからは、少しずつ彼との時間が増えていった。


そしたら、あたしの中にある想いが大きく膨れていって……



“ただ傍にいるだけでいい”



そう思っていたはずなのに……



“彼と付き合いたい”



だんだんと、そう思うようになっていた。