「奈留っ、マジでどうしたんだよ?」



慌てたようにそう言いながらも、あっくんはあたしの背中に腕を回してやさしく抱き締めてくる。


あたしも、あっくんにぎゅっと抱き付いた。


そして……


溢れ出てきた想いを、口にした。








「ねぇ、キスして?」



その瞬間、あっくんはピクンと体を揺らしたけれど、ゆっくりとあたしを引き離して顔を覗き込んできた。


そしてそのまま……


唇を重ねた。





あっくんと付き合いはじめて五ヶ月。


あっくんからの初めてのキスに、胸が凄く熱くなった。




これからは、こうやってねだったときはもちろん、何も言わなくてもあっくんからのキスはもらえるよね?


もっともっとたくさん触れ合えるんだよね?




このキスが終わったら、あっくんに聞いてみよう。






「ねぇ、キスして?」fin