あっくんが言った通り、少し走ったらサービスエリアが見えてきたからそこで車を止めた。


そしたら、あっくんは無言のまま車を降りてトイレに向かった。


それならと、あたしも向かう。


ほんとはトイレに行くんじゃなくて、あっくんと触れ合いたい。


だから、トイレから出てきたあっくんの手を引いて海を見渡せる場所へと移動した。


あっくんは不思議そうな顔をしながらついてきたけれど、特には何も言わない。


目的地について、その場所にあったベンチに二人で腰かけた。


あっくんは真っ直ぐ海を見つめるあたしの顔を覗き込んできた。



「奈留、どうした?」



どこか心配そうにそう言ったあっくんを視界に入れると、好きだという想いがどんどん溢れてきて……


つい、その胸に飛び込んでしまった。