もしかしたら別れを告げられるかもしれない……


そんな最悪のことも考えていたけれど、それとは意味は違うけれど、予想外の言葉に心に不安が押し寄せてきて、あたしの心臓は痛いくらいに激しく動き始めた。


その先の言葉を聞きたいような、聞きたくないような。


だけど、これはちゃんと聞いておかなければならない言葉なんだと自分に言い聞かせて、ゆっくりと彼を見上げた。



「何?」


「ん、……いつも朝起きたときに、奈留が俺にキスしてることに、気付いてた」


「えっ!」


「そのあと嬉しそうに笑っていることにも」