視線をあげると、そこにあったのは彼の困った顔。


きっと、あたしの言いたいことがわかったんだ。


だから、あたしの中にある一番の欲を告げた。



「もっと、あっくんと触れ合いたい」


「……」



一瞬目を見開いた彼は、顔を歪めながらすぐに視線をそらした。


あたしの気持ちはきっと伝わったはず。


あとは、彼の気持ちを聞くだけ。


だけどその気持ちを聞くのが、物凄く怖かった。


付き合って四ヶ月経つのに、キスをしてくれない彼。


明らかに困った顔をした彼。


それに……


「付き合おうか」とは言われたけれど、今まで「好き」と言われたことがない。


こんなの致命的だ。


きっと、今までのようにはいられなくなる。


そう思ったら、自然に口が動いていた。