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『すげー。変われば変わるもんだな』



目を見開きながらそう言った彼には、あたしが片付けている間にシャワーを浴びてきてもらった。



脱ぎっぱなしだった服は洗濯機に入れてスイッチオン。


開きっぱなしのいくつかの雑誌は、すべてラックの上に。


散らかっていたゴミはゴミ箱にポイ。


シンクの中にあった茶碗類はすべて洗って、食器棚に片付けた。


来たときとは、まるっきり別の部屋になってしまった。



『サンキューな』



やさしい笑みを浮かべながらそう言った彼に、ドキンッと胸が高鳴る。


赤くなった頬を隠すために俯きながらも



『片付けてほしくなったらいつでも呼んでね』



なんて、調子のいいことを言ってしまった。