だけど、目の前に広がった光景は、予想を遥かに越えていて……


たった数日じゃこんなにも散らからないだろうと思うくらいにめちゃくちゃな状態だった。


たぶん、その時のあたしは顔がひきつっていたと思う。


だからそんなあたしの顔を見て、彼は苦笑しながら



『引いた?』



と言ったけれど……


全く引いた訳じゃなく、元々綺麗好きの彼の部屋がこんなにも汚れているなんて……


何でもう少し早く彼を訪ねてこなかったんだろうと……


後悔で一杯になったからだった。



『全然引いてないよ。男の人の部屋って汚い方が多いよね』



できるだけの笑顔を作りながらそう言って、部屋を片付け始めた。