俺が、「いい姉ちゃんじゃん」と言うと、 矢沢は俺の胸に飛び込んで泣いた。 俺が思っていたよりもずっと 矢沢はお姉ちゃんを求めているんだとわかった。 好きだからこそ、 辛いんだ。 変わってゆくお姉ちゃんを見るのが… お姉ちゃんを受け入れられない自分が… どんどん遠くなるお姉ちゃんを 矢沢は見て見ぬフリをしようとしていたんだ。 「車乗るか?」 泣いているのに、矢沢はとても素敵な笑顔で俺を見た。 嬉しそうに目を細めて、パジャマで涙を拭う。 車に乗ると… 俺は……… どうなる?