会いたいと思っていたら、突然直が現れた。



俺はびっくりして、直の腕を掴んで音楽室へ引っ張り込んだ。




「どうしてここにいる?」



「だって…会いたかったから先生を探してた。」




直は、どこかをまた走っていたのか、制服のリボンが乱れていた。




「以心伝心だな。」




俺がそう言うと、直は俺の疲れを全部吹き飛ばしてくれるような笑顔をくれた。





音楽室独特の匂い。


光が差し込んで、光るピアノ。





ガチャ…





「鍵、閉めちゃったぁ!」





俺は、音楽室の扉の鍵を閉め、長い机に腰掛けた。