ホームルームを終え、俺は、音楽室の前の廊下で外を眺めた。



来ねぇかな、直。




最近、ゆっくり直と話してない気がする。


キスはもちろん、ぎゅっと抱きしめることも、ご無沙汰…



俺なりに考えた。


おばあちゃんのことで、本当に辛い日々を過ごしてる直と直の家族への・・・


俺にできること。




今は、その場に溶け込むことが一番みんなの心を救えると思った。




直も、キスなんてする気分じゃねぇだろ?



本当は、直の家に行った後、車でドライブとかしようかと考えたが、

今、お母さんのそばにいてあげるべき存在の直を家から連れ出したくなかった。




元気になったか、直。


もう心から笑えてるか?