「仲間の殆どがやられたって言ったよね。こいつらも本当に信じられるの?」


 かちゃり、と撃鉄を起こす。

 リーはごくり、と喉を鳴らした。

 だが、ユイは表情を変えない。


「…そうね…信じる証拠は何もない」

「ユイさん!」

「だけど、疑ったら何も出来ないわ」

「…ホントよねぇ」


 肩をすくめて、ミサトは銃を下ろした。


「ユイさん、とにかく今はここにいるのは危険です。組織からしばらく離れたほうがいい」

「…ダメよ、私は」

「ここは一旦引いてください! 今組織を乗っ取られても、また取り戻せばいい。その時に、誰が組織をまとめるんです!!」


 必死に訴えるリーを、ユイは黙って見つめていた。

 いつもは冷静にユイのサポートを完璧にこなしていたこの部下の、こんなに取り乱した姿を見るのは、初めてだった。