「…ねぇ」


 自らの銃を取り出し、ロックを外しながらユイは言った。


「少し、寄り道してもいいかしら?」

「…デートの時間に遅れたりしないんなら、構わないけど?」

「あら、私、時間にルーズなのは嫌いなの。手間は取らせないわ」


 そう言ってユイは、もう1つのドアに手を掛けた。

 もしかしてキレてるの? とミサトは苦笑する。

 ユイの背中からは、怒りのオーラが沸々と沸き上がっているようで、この女だけは怒らせないようにしよう、と心の中で誓いながら。


「こっちよ」

「へいへい」


 廊下に誰もいないことを確認して、二人はまた移動した。

 そしてあるドアの前に立つと、ユイはキーロックの番号を押す。