「どう見ても、家の鍵には見えねェな」


 レンはミサトの手から鍵を受け取る。

 それはとても小さく、複雑な凹凸がある。


「考えられるのは、金庫の鍵とか…」


 エイジが言った。


「ものすごいお宝が入ってたりしてね」

「だといいけどな」


 しかし、レンとミサトが一番怪しいと思っていた『A GORA』が、何者かによって完全に見張られている。


「おじいさまのことだもの、あの店にも何か仕掛けがあるかも知れない」


 ユイが言った。

 これだけ用意周到な人物なのだ、そう考えるのも妥当な線かもしれない。


「じゃあ、やっぱ強行突破する?」

「何でそこで嬉しそうなんだよ、ミサト」


 嬉々として銃を取り出すミサトに、レンは呆れ顔でため息をつく。