「その可能性はあると思うわ」

「おいおい…ユイまで、何を言いだすんだよ」

「証拠はないわ。ただ、おじいさまはあなた達三人全員と関わっていた。その三人は、ウー・イーシーを抜けたはずなのに未だに生きてる…いくらあなた達が一流の戦術を持っているとしても、あの組織を敵に回して生きていられること自体、不可能なことよ」

「何が言いたいんだ?」

「おじいさまが、あなた達を生かしていた…そうは考えられない?」


 みんなそれぞれが、考え込むようにして黙っていた。

 暫くの沈黙の後、エイジが口を開く。


「もしそうなら、ハク老師はウー・イーシーの幹部…それも、最高実力者の域に入るな」


 ミサトも、そう考えるのは自然なことだと思っていた。

 そう考えれば、パズルのパーツは全て、ぴったりと合うような気がする。

 だが、そのパズルはあまりにも大きすぎて、まだ絵の全容が見えていないだけ。


「わからねぇのは、その存在意義と目的…何の為に俺たちは“生かされていた”のか」

「少しでも現況を打破する可能性があるものは、おじいさまが残したその“鍵”ね」


 ユイは、ミサトが持っている鍵を指し示した。