「俺があまりにもいい男だから、手放したくなったんじゃねェのか?」

「…大方、鼻の下延ばしてへらへらしてたんだろ」

「あァ!? なんか言ったか?」

「なんでもねェよ」

「はいはい、二人ともそこまで~」


 仲がいいのか悪いのか、お決まりのように睨み合うレンとエイジの間に、ミサトが割って入る。


「…確かに、わからないの…。でも、今回はそれだけじゃない。もっと大きな何かが動いている…そんな気がしてならないのよ」


 それは、ミサトも漠然と感じていたことだった。

 冷静沈着なユイでさえ、ここまで心をかき乱される何かが。


「まぁ、確かに組織の乗っ取りってだけの単純な話じゃねェな。それに、俺達にゃ忘れちゃならねェもう一つの敵がいる」


 静かに、レンが言う。