その二ヵ月後、インホアから組織に極秘に連絡があった。

　自分は生きている、と。

　だが、インホアは組織に戻ることをひどく嫌がっていた。

　また同じような目に遭うのではないか、殺されるのではないか。

　そこで、この事実を知った前のボス、ハクは、インホアを山奥に住ませ、生きているという事実を封印した。


「そのことを知っているのは、前のボスとロン、それに私…」


　ユイは、言葉を絞りだすように言った。

　エイジは、驚いたように目を見開く。


「ちょっと待てよ。じゃあ、インホアさんを助けたヤツってのは…！」

「母さんが生きているという事実を知っているのは、今は私とロンだけ。そのことを考えると、答えは簡単よね」

「まさか…自分を殺そうとした男と、手を組んでいるっていうの？」


　ミサトも、信じられないというふうに言った。