「おいしそうね」

「仕事、お疲れ。食うか?」


 エイジは串刺しになった肉をユイに差し出した。


「ありがとう、エイジ」


 その隣では、ミサトとレンが言い合いを始めている。


「なぁによ、あんただってバクバク食べてんでしょうが!」

「テメェにゃ負けるぜ」

「ああもぅ、むかつくっ! この、デリカシー皆無男!!」


 砂浜を走り回る二人。

 それを見て、エイジとユイは苦笑する。


「あんだけ元気がありゃ、今すぐにでも泳げるんじゃね ェのか?」

「…まったくね」

「ユイー!!」


 ミサトは小さく光る何かを、ユイに向かって投げた。

 チェーンが通されたそれは、ユイの手の中に納まる。


「これは…」

「“宝の鍵”。必要なかったよ」


 ミサトはユイの目の前に座る。

 レンも多少息を切らしながら、その隣に座った。