振り向いたら、


びっくりしたような瞳とぶつかった。


「ごごごめんっ!でも血が…っ。エリにつきそうだったから…っ」


早口でまくし立てる彼女は…。

えっと、名前、何だっけな。

とにかく後ろの席の子で、少し大人しそうな…


ぺちんっとまた頭に衝撃をくらい、俊はまた目を丸くする。

あ、ばんそうこう貼ってくれたのかと理解したのは一秒後。


お礼を言おうと口を開いたその時、


「じゃあね、竹井くんっ!」


あ、名前間違えられた。


「滝井だけど。」


とっさに出た訂正の言葉に、


「!」


ダダダダダ…っ


え…。


しまった、と思えど時既に遅し。


彼女はものすごい速さで逃げてしまった…。