キーンコーンカーンコーン……
「ふぅ…」
放課後。
なんだかやっとチャイムが鳴った…って気分。
俊はやっぱりどうしても晴れない顔のまま荷造りを始めた。
「(後頭部かゆ…。)」
剃りたての頭が寒くて痒い。
いつも…、頭を刈る時は、自然と姿勢が真っ直ぐになるような、そんな儀式めいた神聖さがあったのに。
いつまで立ってもこの横になったままの気持ちは何なのだろう。
はぁ…
「(軟式なんて…軟式のなの字も知らないのに…俺何やってんだろう…。やっぱり、行くのやめるか…?)」
ばしぃぃいぃん!!
そのとき。
後頭部に結構な衝撃を食らった。
「?!」
まるで、全部心の中を見透かされて、叱られたような。
しっかりしなよ!といわれたような、そんな気がした。