「…。」

鏡の中のこの投げやりな顔。

流石にこんな表情のまま行くのは失礼だ。

俊は気合いを入れるようにパンパンと自分の頬を両手で叩いた。





「もったいない!」

口々に周りから非難めいたヤジが飛ぶ。

…そんなこと言われても。

半年前までこの髪型だったわけだし。

「滝井!どしたんだよその頭(笑)」

「あー、部活入った。」

「部活?」

「軟式。」

「あー、野球ね!これまた似合わない所に(笑)」


に、似合わない?

「似合わないってなんなんだよ…。俺中学野球部入ってたんだけど。」

「へー、想像つかねぇ!」

こんな感じで周りからは散々の言われようだった。