きょとんとする周囲に、滝井くんはただ爽やかに笑うだけで。

「今の、なに?」

「大会への意気込み、みたいな?」

…ファンの子達の戸惑いの声に、澄香はへなへなと冷たい床に足を崩して、ただ必死に赤い顔を抑える。


わ…

なんだろう。

もう、どうしよう。

「…澄香ちゃん?」

部活仲間の声すらどこか遠くに聞こえて。

さっきの、

カラリと笑う滝井くんの笑顔がまぶたから消えない。

もう、

好きすぎてどうしていいか分からない。