「うぅっ…」


結局負けて、入るはめに。
いや。ずるずるとつれられて。


「愛梨…離れるなよ?」


「離れるわけないじゃん!」


私は悠希の手を強く握って、腕にしがみついてる形。

離れられるわけないでしょ!!
もーやだ。
早く出たい。


ピトッ


「うぎゃー!」


お化け屋敷内に私の叫び声が響き渡った。




「うぅっ…」


「ほらっ!」


いつまでもぐずぐずしてる私に温かい飲み物を買ってきてくれた。


軽く悠希を見上げてみると…。

「ぷっ…」


また吹き出したんだ。

お化け屋敷から出てからずっとこんな感じ。


「もー。悠希のバカ!」


「では、姫のごきげんを戻すために最後行きましょうか?」


悠希はふざけ半分に、手を差し出しながら言う。


「うん…!」


私は笑いながらその手に手をのせて、手を繋いだ。


だってもう笑顔になるしかないじゃん?


どこに行くかなんて分かってるから。




「きれー!」


「そうだな。去年と変わらず!」


私たちは最後に…観覧車に乗った。