本当だ…。
悠希に言われて気づいた。

いつの間にか私の頬を涙が伝っていた。


「愛梨…?」


悠希の不安そうな声が聞こえてきた。


「悠希のせいじゃないよ…!」


泣いてる私が言っても説得力ないと思う。


けど、自分でもなんで泣いてるのか分からない。


全然悲しくなんてないよ?

考えられるのはたぶん。
嬉しくてだと思う。

明日は1年記念日。

今まで考えたことなかったが、月日なんてあっという間だった。

悠希と付き合えてることが…。
嬉しいんだ。



「やめる…?」


まだなにもしていない。

キスをしていただけだ。


「うんん。大丈夫…!」


私は悠希を抱き締めた。


いつの間にか涙は止まっていた。


「愛梨…」


「悠希が好きだからいいの♪」


悠希はちょっと困った顔をしたが、抱き締め返してくれた。


そして、またキスを始めた。


悠希がいてくれるなら何も怖くない。


私は心のどこかで、悠希が私から離れていくのが怖いんだ…。

でも、悠希も同じだってわかってる。