まぁ。
拓海が言っている言葉は、
あながち間違いではない。
愛梨がいるわけで。
愛梨以外からの好意は求めていない。
愛梨がいてくれれば。
愛梨モテるんだよな…。
夏休みに愛梨と出掛けた、友達の好きなやつのもう1人の男。
絶対愛梨のこと好きだと思う。
あったことないし、聞いたこともないけど、男として分かる。
俺と同じような視線を向けているんだ。
けど、愛梨は気づいていないと思う。
鈍感なところがあるし、
天然がたまには言っているからだ。
「拓海ボールだしといて」
「はいはい」
着替えてグラウンドに出た。
あ、拓海も一応サッカー部。
少しして、顧問の先生が来た。
そして連絡があると、集められた。
「体育祭が終わったら、つまり、10月からはリーグ戦が始まる。
これからは出場メンバーを決める大事な時期になるから、しっかり取り組め。」
「「はい」」
リーグ戦…。
もうそんな季節なんだな…。
「ヨシ」
「拓海」
ペアでの練習。
全体。仮の数人チームの練習。
練習は少しずつハードになっていった。