登校の道。
歩いていると…。
「おっは~!ヨシ」
「お前、毎回毎回飛び付いてくるな!」
拓海が飛び付いてきたんだ。
「まぁまぁ!久しぶりだな♪」
「そうだな」
拓海に会ったのは、8月の前半くらいが最後。
まぁ久しぶりだといえば、久しぶりだ。
「夏休みはどうだった?」
「普通」
あれ以来も、愛梨とは毎日会っていた。
映画、プール、ショッピング、カラオケ…。
そして、お互いの家にお泊まり。
愛梨と勉強もした。
思い返していた。
「ヨシ、そっけないなぁ~!」
なんて言われて、肩を組まれた。
「おい!」
俺と拓海はたいして身長に差はない。
「ヨシさぁ~」
なんて言いながら学校に向かった。
拓海に肩を組まれたまま…。
体育館で始業式があった。
もう、先生の話なんか頭に入らなかった。
暑くて…。
校内には冷暖房が入っているが、体育館には入っていないんだ。