「海だぁ~!」
なんて声をあげているのは、俺の彼女。
正直、ちょっと回りの視線が恥ずかしいが、
浮かれている愛梨を見て、
なにも言わないことにした。
「ねぇ悠希!早く海行こ!」
目を輝かせながら、愛梨は言ってくる。
「まず旅館に荷物おいてからな!」
「はぁい!」
そうなったところで、
手を繋ぎ、他愛のない会話をしながら、旅館に向かった。
今回の旅行。
いや。初めてだけど。
愛梨と付き合って1年記念の旅行だ。
って言ってもまだ10ヶ月なんだけどな。
付き合って1年記念は
もう2学期が始まってしまってるから、
夏休み中に行くことにしたんだ。
まぁ実際。
愛梨と初めに付き合ったのは
8月だから
実質、1年経ってはいる。
でも一回別れたから。
今では思い出だけどな。
旅館につき、
部屋に案内された。
「わぁ~広い!景色きれい♪」
またしても愛梨は声をあげた。
「では、夕食の時に来ます!」
旅館の人は、愛梨に笑いながら…。
いや、笑顔で去っていった。