「悠希」
悠希の方を見ていった。
「ん?」
悠希はジュースを飲みながら私の方を見た。
「ありがと!」
「なんのありがとだか分かんないけどね!」
悠希は笑いながら言う。
この家族の一員として認めてくれた。
悠希は言わないけど、見守ってくれてる。
すべてにありがと。
「悠希好き!」
「…安心しろ!俺も好きだから!」
コップをテーブルの上に置き、後ろから私を抱き締めてきた。
そのあと、二人で二人の時間を甘く過ごしていた。
たまには、こんな時間も大切だなって思えた。
悠希…。
しつこいかもしれない。
けど悠希が好き。
大好き。
ずっと一緒にいてね?
寝るとき、ベッドでもじゃれあいながら寝た。
朝起きても悠希の顔。
悠希と過ごした一晩。
これからも増えていくといいな。
貴重な時間で。
大切な思い出で。
失いたくないと、はじめて思った16歳の夏。