「なぁ、拓海」


「ん?なに?」


拓海が言い出すまで聞かないつもりだったが、拓海は絶対自分から言い出しそうになかった。
だから聞くことにした。


「お前なんかあった?」


…。


俺がたった一言そう言っただけで、拓海の顔に笑顔が消えた。


「…え?」


ちょっと戸惑った様子の拓海。


「…拓海が拓海らしくないから。」


「…」


それを聞いて、拓海は背もたれに寄りかかり、下を向いた。


「…」


「…」


沈黙か…。

聞かれたくないなら、やっぱりいい。
そう言おうとしたとき、拓海が口を開いた。


「ヨシには分かるの?…俺の変化」


「…まぁ」


思わず、いつもとの拓海の違いに、息を飲んだ。


「そっか…じゃあ聞いてほしい。」


「…俺でよければ聞く。」


拓海は一呼吸おいてから、話し出した。


「…二つの出来事があった。」


「…いっきに二つも?」


「うん。こないだ元カノから連絡が来たんだ…。」


「…元カノ…」


「そして、ある子から告白された。」


元カノから連絡が来た。
そしてある子から告白された。