屋上につき、ドアに手をかけたら。


「好きなんだ…佐々木のことが」


…え?


「…え?」


愛梨の声だ。
相手って…この声って…。


「お前を泣かせるあいつなんか信用できない。」


…。
"お前を泣かせるあいつなんか"
やっぱり愛梨は泣いてるのか。

そうだよな…。


「…康人くん…?」


やっぱりあいつか。


「や、康人くん!!」


驚いた声を出してる。

え?

ちょっとした隙間からのぞくと、2人が見えた。


あいつ、なにやってんだよ!

愛梨を抱き締めているあいつが見えた。


「ごめん…」


あいつはそう言って愛梨を離した。


「…ごめん…」

それだけ言うと愛梨は走りこっちに向かってきた。


やばっ!


ドアが開く方に隠れた。

すると勢いよくドアを開け愛梨は飛び出してきた。

そのまま階段を降りて行った。




取り残されたあいつ。


「お前さ、なにしてんの?」


俺はあいつに声をかけた。

すると驚いた顔を返してきたあいつ。