俺は名波に呼ばれ愛梨は走っていってしまった。
「愛梨」
「吉田くん!!」
…なんだよ。
愛梨を追いかけたい。
でも問題はこいつにあるとわかってる。
「なに?」
ちょっとたって、ようやく口を開いた。
「好きなの。」
「…」
は?
「吉田くんが好きなの」
「…!」
そう言われて抱きつかれた。
どうすればいいか戸惑ってると。
ガタッ
え?
「…!愛梨」
まじ?
愛梨。
愛梨はまた走っていってしまった。
「愛梨」
今度こそ追いかけなきゃヤバイ。
「まって」
名波に腕を捕まれた。
「離して」
「やだっ。あの子が好きなの…?」
…。
こいつに言わなきゃ終わんないのか。
「名波、俺の彼女だって知ってるよね?」
「…」
軽く頷いた。
「俺、あいつが好きなんだ。追いかけなきゃ。」
「でも、あの子は吉田くんを必要としてないかもしれないじゃん。」
嫌みっぽいが、本人は涙目。
精一杯の訴えなんだろう。