「なん…で…?」
「あ…いや…」
私に言えないこと?
その慌てっぷり。
そして"ななみ"って。
「…」
「愛梨?」
「吉田くんっ!」
え?
「名波」
「吉田くん…ちょっといい?」
「…え」
「いいよ。行ってきなよ」
「愛梨…ここにいろよ?」
「…」
「あ、愛梨」
私は気がつけば走っていた。
ななみ って人の顔を見たとき。
笑われた。
腹ただしくてしょうがなかった。
でもそれと同時に。
自分が悔しくて。悔しくて。
あの子に負ける気なんてしないのに。
負けさせられたような気がして…。
悠希。
やっぱり私には自信なんてないよ。
「はぁ…」
やっぱり戻ろ。
あの子のこと心配だし。
嫌な予感しかしない。
その予感は的中。
「好きなの。」
…え?
告白現場?
「吉田くんが好きなの。」
…?
悠希だ。
そして、ななみって子。
うそっ。
抱きついた…。
ガタッ
やばっ。
「…!愛梨」
…。
「愛梨」
やっぱり体は正直。
気づいたらまた走ってる。
やだ。やだよ。
知らない校舎を駆け回り最終的には屋上にいた。