「そっか♪サッカー部…」
名波の話は長々と続いた。
職員室が遠く感じるくらい。
職員室につき、さっさと用事を終わらせた。
「…はぁ」
下駄箱で靴をはきかえていると思わずでたため息。
「吉田くん、駅まで一緒に歩いてもいい?」
ある意味遠慮がちで、顔を赤く染めている名波。
まあ同じ方向ならいっか。
「うん、いいよ」
返事をすると顔をさらに赤くした…。
正直俺は気にしていなかった。
でもちょっと後悔。
名波の長い話に付き合わされたから。
そして、愛梨のことを考えると。
「じゃ。」
駅につき俺が声を出した。
「あ、うん。バイバイッ♪」
「また明日」
名波と別れ歩いていた。
「…ぁ」
「悠希っ♪」
この時、名波が微かに声を出したみたいだったが、回りの音にかき消され、
俺の耳には愛梨の声が聞こえた。
「愛梨!ごめん遅くなって!」
「大丈夫だよっ!」
愛梨と会話をしながら手を繋ぎ改札口に向かった。
後ろに名波がいることを忘れて。
名波が見ていることも忘れて。