「うん」


「愛梨って彼氏君と名前で呼びあってるじゃん?
いつから呼んでるの?」


「うん…付き合い始めた日からだよ♪」


「恥ずかしくなかった…?」


…恥ずかしかったっけ?
いや。
私が呼びたいと悠希に言った気が…。


「うんん。私が悠希に"悠希"って呼んでいいか聞いて呼ぶようになったから!」


「愛梨って…すごいね!」


「でも、私も郁美みたいな感じだったよ?」


「なにが?」


「初めてあだ名で読んでたから!"ヨッシー"って呼んでて"悠希"に変わったの!」


「そうなんだ!じゃあ…私も愛梨みたいに頑張れるかな?」


「大丈夫だよ!ウッチーも郁美って呼ぶの?」


「う…うん」


また真っ赤になる郁美。

本当に初々しいな。


「そっか!」


「郁美!」


…ん?


「う…じゃなくて…竜二…」


照れて声が消えちゃいそうなぐらいの小ささで郁美は返事した。


「佐々木ちょっと郁美借りていい?」


「はぁい!いってらっしゃい♪」


郁美は私の顔を見ながら、ウッチーに手を繋がれ、教室を出ていった。