「悠希、髪乾かすから、そこ座って!」


「え?いいよすぐ乾くし!」


「いいからいいから。風邪引いたら困るからねっ!」


「はぁい」


ドライヤーを用意した私の前に座る悠希。

こんなやり取りは毎回。


「何してたの?」


「んー?あ、机の上に置いてある紙見てた!」


「紙?」


「うん!あ、文化祭実行委員とかクラス委員やってるの?」


ドライヤーの音に邪魔されながらも話している。


「あぁ。うん、クラス委員になっちゃったんだよね。」


「そうなんだ!大変じゃない?」


「大変!だけど、推薦されたからさ、断れなくて。」


「それだけ悠希が周りから信用されてるんだよっ♪
はい、乾いたよ!」


「さんきゅー!」


どちらの返事だかわからないけど、私は笑顔で返した。


「ねぇ、愛梨の髪いじってみていい?」


私の髪をさわりながら悠希は聞いてきた。


「いいよっ!その代わり、悠希のも後でいじらせてね!」


「はいはい!」


そういいながらも、楽しそうに私の髪をいじり始める悠希。