休憩も終わり、試合が再び始まった。
試合は気づけば終盤戦に入り、1ー1だった。
康人くん、ウッチー、郁美ごめんね。
南高校が勝ちますように。
残り1分を切ったとき、南高校のキャプテンがシュートを決め、試合終了となった。
回りからはすごい歓声が巻き起こり、南高校のサッカー部は肩を抱き合っていた。
うそ。
本当に…?
本当に南高校が…悠希たちが勝ったの…?
「愛梨、悔しいけどおめでとう!」
「…」
「…!!愛梨?なんで泣いてるの?」
郁美に言われた。
「分かんない…。私にもわからない…。けど…なんか…」
「愛梨」
郁美は優しく私を抱き締めてくれた。
分かんないよ…。
でも、きっと嬉しいんだと思う。
でも、同時に康人くんとウッチーへの申し訳なさも感じる。
ごめんなさい。
でもありがと。
そして、おめでとう。
落ち着いたあと、郁美と会場出口に向かった。
そこで悠希と待ち合わせをしている。