「お!ヨッシーじゃん!」


電車に揺られながら、愛梨とメールをしていると。

不意に前から声が聞こえた。
この声…。


前を向くと…。
声で予想がついた人物だった。


俺は、吉田悠希。
南高校1年。
彼女は愛梨。
付き合って10ヶ月を突破中。


そして、

声をかけてきたやつが、

林大輝 Hayashi Daiki。
俺とも愛梨とも違う高校に通う。
まぁ言っちゃえば、悪友だろうか。


「大輝…」


「久しぶり!」


「相変わらずだな。」


「そりゃ、卒業してまだ4ヶ月位だしな!」


そっか。

卒業してまだ4ヶ月。
そして、もう4ヶ月。


早いなぁ…。


「ヨッシー。佐々木とは?」


「あー。気になる?」


ふざけて聞いてみた。


「当たり前!ヨッシーの大事な彼女だし!」


「ハハッ」


ついつい声をだして笑ってしまった。

"ヨッシーの大事な彼女だし!"
大輝がそんなことを言うとは思わなかった。