朝の一服で完全に目覚めたらしい。

煙草を離した手が私を引っ張った


「え?ちょっ――」

何度目のキスだろう。

触れるだけの、優しいキス



初めて煙草の味がした。

「苦っ」


うん、苦い。

煙草ってこんなに苦いの?
美味いとか不味いとか聞いたことあったけど、苦い


「やっぱ先にすりゃ良かったな」


舌を出して苦がる私に、蓮司が笑う。

でも、そんな台詞を言っても止める気だけは無いらしい。
また唇を奪われ、今度は舌が入ってくる


「ちょっ、……蓮司…止めて」


動きたいのに。

うん、行動したいのに蓮司の腕は強く、されるがままで―――



ブー―ブー―ブー―


「………」

「………」


鳴り続けてるから電話だろう。

私のは……鞄の中だよね。

鞄を置いた部屋の奥に在る椅子をチラッと盗み見た。


鳴ってるのは間近でベッドにも振動が伝わる場所


「出ないの?」


なのに全く出る気が無い

相手を見たのか見てないのか、一瞥したきり無視してる。


電話は一度切れ、また直ぐにかかってきてて…
よほどの急用だと思えるんだけど…


蓮司もそう思ったのか、やっと携帯を手に取った


「問題起こすなつっただろ」


……え?そんな事言ってたの?


紅燕様
総長様
蓮司様が怖いよ―――


蓮司から離れて窓際へ向かう。

見える景色は昨日の宝石のような綺麗さは無いけど、綺麗な街並みで


「は?――ああ―――分かった。直ぐ行く」



そういえば、蓮司と初めて会った時もバイブ音が鳴った。

あの時もキスされてて。

拒み切れなくて、叩こうともした。





『俺達は強くなるんだ…。……強く生きるぞ』

そう言われたのは両親が亡くなった時

―――ねぇ、タツ。
あの時言われた言葉、今からじゃ遅いかな?

街も立場も違うけど、私はこの場所に居たい。だから強くなりたい。
そう思えるの……



「――鈴、行くぞ」


私を抱きしめてくれる、この人の傍に。



ここまで読んで下さり、本当にありがとうございます。

H25.9.15完結


……すみません嘘です。
私、文章力無いんで日々部分的に変えるはずです(泣)



゚・*:。。:*・゚゚*:.。。:*・゚

さてさて。

此処で[完]になった訳ですが、続かせて下さい。書かせて下さい。

ってな訳でⅡへ→

また執筆頑張ります!






―――御伽話<オトギバナシ>


*ネタバレ含みます



賛否両論あると思いますが、同じ雰囲気を持って戴くために、敢えて書きます。





今回テーマを『ルージュ・ノワール』としてみました。

カジノルーレットですね

赤と黒どちらを選ぶか。って感じです。

まぁ、どちらを選んでも勝率50%なんですけど…






そして、作品内に小さく布石を仕込んでます。

例を出すと、蓮司との出会いでの右左です。
その規模なんですが…


まだまだあるので、ふとした時に是非思い返して見て下さい。


色なんですが……皆さんどう見えます?


「紅蓮」
辞書は真紅だと書いてあるんです。
私には燃える色に思えてます

「真紅」
真っ赤とか濃い赤とか書かれてますが、私には…本当に赤のイメージです。
混じりっけなく、純白ならぬ純赤?

「臙脂」
えんじは…黒みがかった赤色
これは辞書通り!
制服のリボン色だったけど、暗めな赤だよね


まぁ、私の識別が問題なんですけど…
車校ではチョット危なかったり(笑)




さて、続編ですが最終話の電話から繋げます。


相手は翔太

蓮司の行動分かってて……でも、連絡する程の急用!って言ったらコレしか無いでしょ。
…無いのかな?





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