蓮司から離れて窓際へ向かう。

見える景色は昨日の宝石のような綺麗さは無いけど、綺麗な街並みで


「は?――ああ―――分かった。直ぐ行く」



そういえば、蓮司と初めて会った時もバイブ音が鳴った。

あの時もキスされてて。

拒み切れなくて、叩こうともした。





『俺達は強くなるんだ…。……強く生きるぞ』

そう言われたのは両親が亡くなった時

―――ねぇ、タツ。
あの時言われた言葉、今からじゃ遅いかな?

街も立場も違うけど、私はこの場所に居たい。だから強くなりたい。
そう思えるの……



「――鈴、行くぞ」


私を抱きしめてくれる、この人の傍に。