抱き締められてた。

「ちょ、っと。蓮司」


離れようにも腕の力は強すぎて。

押し返そうにもすっぽりと収まった体では抵抗のしようが無くて



すぐに観念した。


「何もしねぇよ」

「……うん」


蓮司の腕の中は安心する。

さっきまで私がしがみついてたのに、立場が逆転してる



「気に入ったか」

「うん、凄く」

「そっか」

抵抗を辞めた身体を、そのまま蓮司に預けた。



そういえば、最初からだ。
安心感のある今――

初めて会った時は驚いたし、叩こうともした。

抱かれた時もそうだ。

意味が分からず止めてと思った。


でも……青蛇の時のような嫌悪は無かった


もしかして私はずっと前から蓮司の事を―――