来るときには気付かなかった。
ホテルの横に寄り添うようにある広い川

その川に写し出された灯りは、幻想的であり夢幻のようで


誘われるように


思わず窓に近ずき、見入ってしまった



「凄い」

人工的なその灯りは、消える事無く輝き続けるのだろう

――――この街で。





「気に入ったか?」

……………あ。


忘れてた訳じゃない。

でも、この壮大な景色を観てたらどうしても……


窓辺――つまりは部屋の最奥に居る私の元へ蓮司はゆっくり歩み寄ってくる







「………え?」