タツの目が私を見て、カズを見て、床の血を見た。

最後に血が付いた、男が持つナイフ


「……てめぇ」

男の顔まで見たかは知らない。


低い位置にいる私達を見るのに下げてた視線。

そして顔が上がる前に男を殴り終えてた




「タツ…」


訪れた安心感に声が出た。


私を、そしてカズの頭をいつものように撫でてくれた


「達也。後は俺が引き受けるから……鈴と和也連れて帰れ」


「葵……悪いな。鈴、和也帰るぞ」