カズの腕に手を伸ばすけど、私の腕も血が出てて…

動かした手が止まってしまった


痛くて怖くて…

切れてると自覚したら痛みも恐怖も遅れてやってきた。



私よりも冷静だったカズがポケットからハンカチを取り出し、私の腕に巻いてくれた。

隠れた傷に痛みも少し和らいだ気がする。





「―――鈴っ!!」


勢い良く開いた扉

勢い良く入ってきたタツ


その姿は、今まで見た事無い顔で。

両親が死んだ時だって、こんなに取り乱してなかったのに。