腕ごと包み隠すようにカズの腕が私に回った。


男はもう目の前

しゃがむ私達を真上から見下ろす




右手を振り上げた。


窓から入る優しい月光で光った異様な曲線の刃


右手を振り下ろす。


動けない私達―――




―――腕が熱く感じた。

チリチリとした痛みが走る


私を抱き締めてたカズ

カズの右腕と、その下にあった私の左腕を切り裂いた


床に滴る血

私の服にもカズの腕にも血が沢山付いて、赤色を広めていく


「あ……カ、ズ…」