「タツが…来た?」

遅かった。


タツはそりゃ来てくれる。
私を大事にしてくれてるから…こんな時間まで外に居たら、当然探しに来る。

でも今日は……



「鈴、タツ兄の所へ行こっ」

握った手を上に引っ張られ立ち上がる


「ガキは此処に居ろ」

当然、見張りの男も立ち上がる

…行かなきゃ。タツの所へ





小学生とはいえ、覚悟を決めた人間は質が悪い。
特に子供ほど…なりふり構わず、滅茶苦茶な事ばかりする

とにかく、私達は強かった。

正確には男に苦戦をさせる程に強かった






「餓鬼相手に何やってんだよ」