紅蓮の姫

「タツ!ただいま」

私はタツが居ないと何も出来なかった。

居場所を作る事も…
悲しみから立ち直る事も…


タツは優しかった。

2人だけの兄妹、唯一の家族


「お帰り」


黒龍に行って、私は何をしてた訳でもない。


暴走に参加したこともないし、喧嘩をした事もない。

タツが一切許さなかった。

夜更かしすらも…


宿題をし、遊んでもらい、話しをする。

夜になったら私とカズだけ帰らされる。




それでも小さな私には、キラキラした世界だった。