「………何から話せば良いんだろ」


椅子に座り、そう呟いた鈴は…本当に儚く、伏せられた目は今にも泣きそうで


「鈴ちゃん、ここ数日の行動から教えて。俺らを避けた理由。それと今日どこに行ったのか」

静かながらも棘のある声

まぁ、翔太の性格からすりゃ不確かな情報に腹が立つんだろう。





「………兄に、会ってきたの」

「兄?鈴、兄貴なんて居たのか」

「うん。年の離れた兄。……兄の名前は、藤林達也」

「藤林達也……っまさか」


ずっと閉じてたパソコンが開かれた。

カタカタと、いつもより荒く、そして速い音が鳴る。



「翔太の思ってる通りだよ」


静かに、はっきりと。