十分に温まり、シャワー室を出た。

置いてあるスウェットに着替え、着ていたワンピース類を畳み、近くにあった袋へ。


……放り投げた鞄が見当たらない。



多分、持ってかれた。


そんな事しなくても、ちゃんと2階に行くのに…



「鈴さん。上に案内します」

更に開けた扉の先に立ってた兄さん。


そんな事しなくても、ちゃんと2階に行くのに…








一緒に向かった2階

そこで、兄さんが居て良かったと思えた。


扉をノックしてくれたから……


今の私には、扉を黙って開ける勇気は無い。

でも、ノックして何て言えば良いのか分からない

曖昧な立場の私―――



前を見据える。

最後の、やらなきゃいけない事