「蓮司、上に行くぞ」

翔太が狭い空間から蓮司を引っ張る。


「鈴ちゃん。……温まってから上おいで。着替えとか外置いとくから」

「……うん」


――――パタン。


静かに閉まった扉

去っていく蓮司の目


話をした後、その目がどう変わるのか


でも―――

「とりあえず、話さなきゃ……か」


一応病み上がりだし、季節は秋に分類され外は寒かった。

さらに、濡れた髪や服はどんどん冷めていく


「寒っ」

温まるのが先に決まってる