泣かないなんてレベルじゃない。

もはや号泣となってしまった私を、優しく腕に抱き締めてくれた。

「無理だろ。喫茶店にしなくて正解だったな」

余計な言葉と笑い付きで……


それでも泣き止めれないのが私だから、腕の中に居るしかない。




――――コンコン。

「藤林居るか~入るぞ~」


私の涙を止めたのは意外な声と存在で。

知らない人なんだけど、その行動に。


ノックが聞こえ、声が聞こえ、姿が見えた。
その速さが………


つまりは私は涙を拭く事も、タツの腕から離れる間も無かった