「はぁ~。和也から大体の話は聞いた。………思い出したんだな」

「……うん。ごめんね」

「大丈夫なのか?」


やっぱり変わらない。
私を大事にしてくれる。

自分の事より優先して…


「大丈夫だよ。……タツ。今まで本当にごめんなさい。私、タツの事大好きなんだよ。だけど、忘れてて…タツはずっと私を守ってくれてたのに」

「良いんだよ。俺が決めた事だ。鈴が忘れようが、拒否しようがな。…………俺はお前の兄貴だから」


頭を優しく撫でるその手に、私の涙腺は限界だった。

ずっと我慢してたのに。

「今日は泣かないって決めてたのに…」